山崎初女さん 出版記念講演会

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4月17日、『限りなく凛として透明に生きる』の著者である山崎初女さんの講演会に行ってきました。
無料とはいえ、1200人収容のめぐろパーシモンホールは満席。抽選チケットでは落選したのですが、知人のお連れの方が急きょ仕事で行けなくなった、と言ってチケットを使わせていただくことにしました。ありがたい。

山崎初女さん 出版記念講演会

山崎初女さんは、今年94歳

長時間お話しできるということでは決してありませんが、言葉のリズムや一言一言にとても力を感じました。
同じことを話しているのだけど、やはりそれが大事で、そこに筋がとおっていることが表れていました。

くり返し言っておられたのは、「互いが透きとおった気持ちでいることが、よい社会になっていく要素」であるということ。
(透きとおった気持ち、というのは、のちに出てくる神父さんがいい表現を使っておられました。)

世の中が複雑になって、気持ちの上でも「できない」ことが増えてきて、それをどう解決しようか?と考えることにストレスを感じる社会。
それを初女さんは「できない」ではなく「こうしよう」に変えていくことが大事、とおっしゃっていました。できないことを並べて、この中から何ができるか?と考えがちだけれど、時間が経過することでできるようになることもある、と。
本を読んでも、このお話を聞いても、透明な気持ちで自分を受け入れて、気合いをいれなくても流れるようにできることはやって進めていく。そんなふうに私は解釈しました。

著書の対談者がひとりずつ講演1-晴佐久昌英神父-

著書では、初女さんが3名の方と対談をしています。
神父さん、哲学者、そしてお医者さん。1名ずつ出版を記念して、講演をされました。

とても印象的だった表現は、今の状態を「色のついた世の中」と言っていたこと。
初女さんも、前よりも世の中が複雑だ、といったように、晴佐久神父も今が色つきだという言い方をしていました。
「透明の向こうには神がいる。初女さんとあったときイエスキリストが復活したような愛を感じた」
と言っておられました。

初女さんが自分の状況を知って、宅配便でおにぎりを送ってきたそうです。
神父さんも、苦難が続いてからの出会いだったそうで、それは心に残る印象的なことだったと思います。

そういった衝撃的な出会いや出来事で、人は変われるのだな。
それが、おむすび1つかもしれないし、誰かのひと言かもしれない。
そう考えると、自分が生きている瞬間瞬間、何が起こるかわからない、それに価値を感じ取ることができるか、ということが非常に大事だと思いました。

講演2-芳村思風 哲学者-

次が、哲学者の芳村思風氏の講演でした。

初女さんが著書の中で透明、という言葉を「調理」で表しているように、芳村氏は「陶芸」でお話していました。
土をこねてできたお椀を焼くとき、1300℃になると透明になるのだそうです。それは、お椀という価値あるものになるために一瞬透明になり、濁りがなくなる、と例えていらっしゃいました。

何かに夢中になるということは、命が燃えること。情熱をそれに傾けられること。
何かに、意味や価値を感じるだろうか?
感じて、情熱を傾けた時、にごりがなくなり透明になれる。

そうだよなあ、と思いながら聞いていました。
夢中であり透明。それには共通する部分があるなあと。
命は、感じることがないと燃えない。そこに生きる強さがあるのだ。芳村氏のいう強さ=初音さんのいう芯。
いろんなところで著書とつながって、フムフム、と思いながら聞くことができました。

講演3-池川明 医師-

現役の産婦人科医。池川氏からは、命と魂の面から。

人間という物質をもったものが魂いなるとき、その質量はなくなってエネルギーの変化が起こる。
でも、本人であることには変わりなく、形が変わるだけのこと。物体がなくなり魂になったとき「透明」になるのだ、とお話ししていました。

初女さんの話方にはリズムがあり、その波動が重要だ、ともお話していて、
思考(この場合は初女さんの口から出たお話も含めて)が波動になり、それが物質化したときに実現する。

幸せであることは退屈だとも表現していたのが印象的でした。
きっと、思考能力が落ちるのだと思いますね。酔う、とでもいうのでしょうか。
そうなると、先の講演に出たように心が燃えることがなくなるし、もっと透明になるための追及をやめてしまうのだろうな、と感じました。

自分が情熱を傾けられることを、1日ずつ「こうしよう」と考えながらやる。
それを初女さんを含め、4名の講演者から学んだように思いました。

佐藤初女さん 出版記念講演会
最後は、4名とも壇上に上がり、進行役も加わったパネルディスカッションでした。
池川先生だけが、初女さんのおにぎりを食べたことがなかったそう。それを最後まで引きずって笑いを取っていたのが印象的でした。
一生に一度お会いできるかどうか、という方にお目にかかれて、本当に良かったです。
仕事を抜けて出席させてもらいました。ありがとうございました。