自社サイトのリニューアルにあたり

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今現在、自社サイト(コーポレートサイト)のリニューアルに携わってます。
私はデザインや本格的なコーディングはやらないので、基本的にはディレクションという立場になり、デザインなどの指示出しに当たります。また、原稿や写真などの素材は当社から出すので、その制作にも携わります。

強みを絞っている会社だからこそ、それをお客様に伝えたい

今の自社サイトは、文章量が多くとても難しい表現を使っています。(これは社長が書いたものらしいけれど)
実際、今、VR元年と言われてよく問合せが来るようになりました。いわゆる、ほとんどが刈り取り営業です。その中で、お客様のご質問を聴くに、「伝わってないなー」と感じることが多々あります。

VRというと、ゲームのイメージが強いですが、私のいる会社は15年前から「不動産物件を見せる」ことに絞り込んで、アプリ開発をしています。それが今は功を奏していると感じます。業界を絞ってやり続けているからこそ、今それをピンポイントで求める企業様からの引き合いが途絶えません。またこれから導入するお客様には、社内プレゼンのために実績が必要ですので、長く事業を続け顧客を抱えていることは大きな後押しになります。
さらに私が入社してすぐにローンチした新しいアプリは、機能自体もぐっと絞り、より簡単に使えるようにしました。

最近では、長期にわたる実績が評価され、世界のVR市場を俯瞰する業界マップ「2016 VR Industry Landscape」にも掲載され、ますますVRが注目をあびるきっかけになりそうです。

VRを使いたい、という気持ちが高まっている見込み客に対して、もっとWebサイトが寄り添うことができないだろうか?と思うようになりました。今年6月に開催された展示会に間に合わせるのがよかったのですが、そんなにやっつけ仕事でできることではないので、腰を据えられる今だからこそ、見えてきた部分もあり取り組みを開始しました。

リーダーの思いを社内に浸透させる

今回もともと原稿書きを担当していた社長にお願いして、代わりに書かせてもらうことになりました。
理由としては、いくつか明文化できるものがあります。

  • VRマーケティングを知らない人に伝えるために、社歴の短い自分が取り組むことに意味があると思った
  • 社歴の短い自分だからこそ、難しい表現を使わずいかに伝えられるかを考えやすい
  • 3Cなどの組み立てを以前に少し勉強させてもらったので、ツールも含めて活用しやすい

代筆をさせてほしいとお願いしたのは、お客様に「なぜ私たちがこれをやるのか」というミッションの部分でもあるので、とっても重要だと思います。でも私が書くことで、自分たちがやっていることが外からどう求められているか、それにどう応えるか、これから検討している人にどう伝えるか、という部分で少しでも役に立てそうと思ったからです。

そして、最終的に私が目指すところは、ホームページにミッションを明文化することで、これを何度も社員が見直せるようにし、リーダーとの視点を合わせて目標に向かえるようにするというもの。
この部分を土台にして、今後のアプリ開発やUX設計を進めていけるようにと考えています(こっそり)。

必要のないお客様には、勧めない

VRが流行すると、必ず「とにかくやってみる」という方向で問い合わせが来ることもあります。私の場合、目的や内容をヒアリングして、Webサイトから必要性を感じないお客様には無理に勧めないようにしています。

たとえば、よくVRを使う意味をわかっていないお客様。何度か説明をして難しいようなら、ご勘弁いただく。
たとえば、Webサイトで紹介していない方法を求められたら、うちのサービスではできないことを正直に伝える。
使い方を提案できるけれど最終的に使うのはお客様だから、その提案から「!」と気づいていたけるような事業戦略や表現が必要なのだなと感じています。(伝わらないのは、自社の責任なのだと)

そしてお客様を選ぶことが、事業継続の肝の一部でもあると考えています。その時間を、これからの事業や進め方のことを考えるために使えるからです。

ツールを事業戦略にまで落とし込む

アプリって、いわゆるツールなわけです。他社さんを選択する可能性も十分にある。
私が長く経験したEC業界だと、「カートASP」みたいなもので、そのサービスを使う土台になるシステム。
自社のものを選択してもらうには、クライアントの事業戦略に沿っているかどうか、寄り添わなければならない。

  • クライアントが求める物件紹介の戦略にフィットしているか?
  • Webサイトをリニューアルした時でも、手軽に乗り換えできるか?(引き続き使えるか?)
  • クライアントが自社で継続して使える仕組みになっているか?

といった課題を解決する必要があります。
相見積で負けるようなら、やっぱり価値を発信できていないし、費用対価値がはっきり理解されていない、ということです。もちろん、これから競合がたくさん出てくるので、私たちの会社も競合サービスとしてマークされる可能性は十分にあり、表面的に見える「価格」がいちばんターゲットにされやすいでしょう。
それでも、選んでもらえる価値を自社サイトで発信しなくては、と考える日々です。

デザインはどんどんシンプルに、メッセージは相当絞り込んで

サイトデザインは1カラムでどんどんシンプルにします。
1カラムでメニュー構造をシンプルにするということは、それだけページ数が減ります。つまり、絞り込んだメッセージが必要になります。ここはまさしくこれから私の課題になるので、要素を出すだけ出して、絞り込む作業をくりかえすでしょう。

私が入社して最初におおかたのメッセージを作ったサービスサイトは、これでも3Cからかなりのキーワードを書き出し、洗い出し、絞り込んだメッセージです。会社のサイトの場合ほかの製品紹介もあるので、デザインや文章はもっとシンプルにしないと、それぞれが引き立ちません。
たとえばECサイトの場合は、商品にある程度のまとまりがありますが(カテゴリに分けることができたり、食品なら食品というカテゴリからぶれていない)、目的がまったくちがう製品を「一覧」として並べるので、それぞれに光を当てることも必要。

このあたりをしっかり考えて、デザインの要素に甘えないように取り組んでいきたいと考えています。
このブログ記事は、これからの自分に対する備忘録として。