富山で「地方中小企業にこそ必要な「ブランディング/マーケティング」発想セミナーに行ってきた

Posted by in セミナ・講演

19日、有休をとって富山にセミナー受講に行ってきました。

【10月19日(金)開催】地方中小企業にこそ必要な「ブランディング/マーケティング」発想(インターネット 実践講座-06)
https://www.tonio.or.jp/semi/20181019-j/

マーケティングと名のつくセミナーは最近あまり受講していなかったのですが、お誘いいただいて、ブランディングも気になりましたし、受講してみることにしました。
今の会社はNB(ナショナルブランド)とPB(プライベートブランド)の商品を同時に扱うECサイトを運営しており、商品で強み(差別化)できていないなーという課題感があります。それもあって、ブランディングの知識も入れておこうと思いました。

講師は、株式会社電通デジタル デジタルコマース事業部 コミュニケーションプランナー/ディレクターの竹下康介さんです。

セミナーではスライドの図が分かりやすかったので、このブログをテキストだけで見るとわかりにくいかもしれません。

講義の前提

デジタルコマース≠eコマースとは捉えない。
最近は、インターネットを使ったコマースというと、物販だけではなく、動画や音楽などのコンテンツなど幅広く含まれるため、ECとは限定せずに話を進めるということでした。たしかに。

私は契約していませんが、AmazonやGoogle、Appleといった企業に代表されるように、さまざまな種類のコンテンツが販売され、私たちは購入することが可能です。インターネットを使って。

商売ってなんだろう

商売は、「集客」⇔「接客」⇔「増客」のくりかえし。
特に、「増客」=既存顧客の拡大が必要になります。最近よく言われる「LVT」(障害顧客価値)もその例です。

でも、2013年から17年の間に、ネットショップの数は約10倍に膨れ上がっています。もう「ネットで買える」初読みでなくなってきていて、差別化要因にはなりません。だからこそ、自社や商品の「強み」を明確にする必要があります。この部分が、ブランディングの講義でした。

ブランドってなんだろう

ブランドというと、高級感やロゴマーク、有名であることなどが思いつきます。
しかし、実際に私たちは、EC事業者としてこういったものを販売するわけではありません。そのため、例題が出されました。

私は氷見の寒ブリが食べたい!それは・・・だから。

この「・・・」に入るのは、なんだろうか?
例えば、以下のことが考えられます。

  • 新鮮でおいしいのを、知っているから。
  • 地元が近くて(地物で)、おいしいのを知っているから。
  • 安くて買い求めやすいから。

こうした付加価値=ブランドとなります。
「吉野家と言えば牛丼」。こうした、すぐわかる指名性、固有性がブランディングできているということになります。

ブランドとは、

  • 心理的価値
  • 機能的価値
  • 基礎的価値

の合計価値であり、これが利益を生み出す力になります。(あー、図式がなく文字だけではわかりにくい・・・)

理想の「ブランド」とは、

  • 指名買い、固有名詞でなにかわかる
  • 心理的な価値をまとっている
  • マークやネーミングを見れば、それとわかる
  • マークを見れば、世界観がわかる

既存客の拡大が重要な背景には、「ブランディングにコストをかけなくても、うちの価値を最初からわかってくれている人に売ることでコストを少なく売上や利益を得ることができるから」ということがあるのです。※もちろん、価値を守り積み重ねる企業努力は必要。

時代とともに競合が変わる

インターネットがなかったころは、食べ物を売っている人の競合も「食べ物屋さん」でした。
でもネットが発達し、スマホを持ち、さまざまなアプリがフリーミアムになって便利になると、全く異なる分野が競合になることがあります。

講師からの例題は「新幹線」。
普通であれば、車やバスといった移動手段を思い出します。当然、私もそう考えました。
ただ、ビジネスシーンで考えると、「会議システム」や「アプリケーション」「高性能スマホ」がライバルになります。理由は、出張しなくてもよくなる手段があり、ライバルになりえるからです。

これって、発想や見方が一辺倒だとなかなか気が付かないことです。
それを見誤って料金を下げたり、商品スペックを見直しても、一向に商売がよくならないと嘆いても当たり前。価値以前に、お客様が自社が比較対象に挙がらない可能性だってあるということですよね。

「どんなツールを使えばいいか?」
ということばかりにこだわっていても、効率化はかなっても、自社の価値を生み出すことにはなりません。それはツールであり、使うものでしかないから。最近は無料や低コストで使えるツールも増え、商品やサービスにインパクトを与えることはないので、ツールは目的を1つ決めて使ってみるしかありません。

  • 競合はだれか?何か?
  • どんな人が価値を感じてくれるか?
  • 勝てる領域、優位な領域はあるか?

売上至上主義からの脱却

私も今、ここを悩んでいる一人ですが、売り上げを上げるだけでなく適正な利益を残してこそ、事業継続の意味があると感じます。
そのためには、ただ「買ってもらおう」ではなくて、「理解してよいと思ったら買ってもらい、使い続けてもらう」ということが必要なのだと思います。そして「売るべきなのか、ブランド価値を分かってもらいたいのか」を常にジャッジし続けなくてはいけない。

例えば、私のいる会社であれば、売りたい商品の価値はすべて伝えきれていないので、商品ページのディレクションやウェブサイトの使い勝手を良くするために構造設計を見直す必要があります。

お客様を呼び込むために、「スペックをメリット・ベネフィットに言い換える」ということはよく言われますが、やはり講師の竹下さんは基本的なことが大切だとおっしゃっていました。それが「5W1H」です。
一人一人が出会う様々な瞬間に寄り添えるように、6項目のそれぞれを考えたメッセージを伝えること。つまり表現を最適化することが大切です。

このあと、「A/Bテスト」についても、わかりやすく講義していただきました。
長くなったので、小休止して追記していきます。。。