【本】絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!2代目女性社長の号泣戦記
産廃業者の2代目女性社長さんの手記です。知人からお借りして読みました。
表紙を見る限りは「どうせ美人だし、バリバリ営業できてすごい人なんでしょうねえ」いう思いもありましたが、女社長であり、2代目ということは、「人にばかにされるんだろうな」という推測が容易にできる。そんな世界を必死に生き抜いていることが分かります。ゴメンナサイ。
しっかりと先代の信頼を汚さないように、という思いが伝わってきました。
産廃処理=底辺の産業
私も、新卒で勤めた会社が(最近TVに出た)自動車解体業ですので、この表現はよくわかります。
その当時の私の社長は今でこそ「静脈産業」という表現を使っており、環境事業が今でこそ価値を持つものの、やはりこの当時の経営は苦しかったのだと想像できます。
ニオイや煙、騒音を考えると、周辺住民の反対があったことは想像に難くありません。
私は、営業を志望したものの自動車の知識やコミュニケーション能力が足りず(このころは事務・経理も半分兼任していたためか、かなり時間もなかった)、なかなか専門知識を勉強するに至りませんでした。
その点で、こちらの石坂社長の努力はすごいと思います。先代(お父様)と話し合い、共有される中で、先代の考えの一番の理解者であり、そのうえで代表取締役社長になりご自身のスタイルをきちんと築きあげていると感じました。そして、自分の足で回って、理解を得ようと努力している姿を読むと、まだまだ自分には足りていないものがあると感じました。
価値が分かる価格とサービス
底辺の産業というと、価格をたたかれるのが常識(下に見られる)です。
しかし、その価値を発信して、自分たちの価格の価値を分かってもらうという努力が必要で、石坂氏はこれを遂行しています。
なぜ他社よりも高いか?自社ならどんな仕事ができるのか?何を社会に返せるのか?といった視点がないとお客様は納得しない。しかも、それを外に発信しないと会社内部だけの価値にとどまってしまいます。
そういった意味で、外からの客観的な評価を取り続けている(もらっている賞もあれば、申請しているものもあるそう)のも、納得ができます。自分たちの言い分だけでなく、外から評価してもらい、いわゆる「タイトル」をもらうわけです。
胡散臭いものは信頼性もありませんし、それを狙っていると思われても仕方ありませんが、国や世界的な評価となると話は別ですね。しっかりと審査基準がありますし、きっと準備も相当なものでしょう。それを得て、さらなる安心感を提供しているというのは、通常の仕事をしながらではなかなかできることではありません。
社員に仕事を合わせる
こちらは、ちょっと意外でした。
でも、「これってまっとうなのかも」とも感じます。社員のできることが最大限引き出されるには、この方法が一番だと思います。できることの幅を広げてもらう。試験勉強で言うと「得意科目の点数伸ばすのが、早いよね」みたいな。
モチベーションが続く、得意なことを伸ばすほうが早い、気づきが早い、など、いろんな点でいいなあと。
私自身が自分の得意分野を見いだせないので、羨ましがっているだけかもしれませんが(笑)
書籍を読む限りでは、そういった社員さんが積極的に働いている姿が書かれていました。とてもプラス思考で働けると思います。
石坂さんは、今は回数は減ったものの現場には必ず回っているそうで、社長から直接アドバイスをもらえる、ということもとても大きな価値だと思います。
事業として、未来へ投資できるか?
里山活動や、自社施設の整備、見学コースの構築など、将来を見据えた投資を継続しています。
社員だけでなく、会社のある地域への貢献が見えます。
今の売り上げや利益を見ていて、なかなか未来へ投資できるというのは、判断が必要になると思います。
また、未来がどうなるかわからない(下手すれば、法律も変わる)中で、自社のビジネスの将来像が見えていないとできることではありません。
それを継続的に、計画的に行っているシーンをよく見受けました。次の未来に向けて緻密に練っている、そのような印象でした。
これは、自分自身にも言えることだと思いながら、読んでいました。
自分個人が、今の時間という投資をこのまま続けるべきなのか?成長するにはどうするか?選択は必要なのか?といった視点でも考えさせられます。
守秘義務等あるでしょうが、自分の会社を見学に来てもらい、児童の見学コースにも提案できている、というのは、よほど会社の中を整備していないとできません。(私が最初に勤めた会社でも、同様にその整備でも評価されていました)
お客様を案内して、安全安心な工場・現場でないと無理ですからね。それは自社の業務、業態、環境に自信を持っているからこそだと思います。
くじけそうになることもあるけれど、やはりその場で目標を持って頑張れるか、という部分でも勉強になりました。石坂さんは、転職することもできたでしょうが、やはり身内の跡取りという意味では、今のご活躍はお父様がいちばん喜んでおられると推測できますから。
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