【本】そうだ、星を売ろう

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Facebookで知人が紹介しているのを見て、興味を持ち読みました。読んでみるとすごくスムーズに読み進めることができ、こういう気分は久しぶりかも。
「モノを買うのでなく、その後の体験や幸せな気持ちを買う時代」ということはこれまでもずっと言われているとは思うのですが、自分ではまだ具体的には見えていない。読み終わってみて、先日読んだ『ファンベース』と組み合わせて、ファンベースで理論的に考えて、この『そうだ、星を売ろう』のストーリーを読んで、自分のかかわっているビジネスに落とし込めるような具体策を考えるのがいいかなーとつながった気がします。

「こうなりたい」が、この先きっと目指すもの

この本の中で「ディズニーを超える」という概念があるのですが、モノでなくてこういった「気持ち」や「概念」がすごく大切になってきたと感じます。この本では温泉地を舞台に話が進んでいますが、温泉や料理といった”すでにそこにあるもの”は、もう体験済みのことが多くて、これはお金でいくらでも代替えが利いてしまうもの。

そこに行かないとない、それを買わないとこの体験はできない、というコトやモノが大事になってくるんだろうな、と。
だって、ディズニーランドやシーに行かないとアトラクションも体験できないし、マスコットにもあえないし、夢のような体験はできないわけです。そのためには、モノだけでなくサービスや提供できる価値を高める必要があるんですよね。

私は今、仕事柄歯ブラシなどのデンタルケアを売っていますが、「歯をきれいに」「口臭を予防」「歯周病対策に」などはすべての商品にあてはまるため、どの商品もまったく際立つことなく使用できる商品コピーだったりします。
そうではなくて、これを使ったらその先にどんな価値があるのか?どんなふうに自分はうれしいのか?をもっと明文化する必要があります。そしてそれを伝えられるように表面に出すこと。ウェブサイト、パンフレット、メルマガ、ブログ・・・自分たちの価値は持っているだけでは伝わりません。

この「星」もきっとそうだったのだと思います。自然にそこにあるけれど、だれもそれを価値付けしていなかった。
価値をつけるということは、自分たちで文章や写真を考えたり、価値を値付けしたり、伝わるように提供するサービスを高める必要があります。本を読んで改めて、ここをさぼってはいけないなーと思いました。

「買う理由」と「強み」を洗い出す

お金を払うには理由があります。逆に払う理由がなければ買わないし、買ってしまったら「損だ」と思われてしまうことも。お金を気持ちよく払ってもらうためには、自分たちが持っている強みを表面化しないと伝わらない。これがまた難しいのだけど・・・

強みはもちろん競合に勝つためのトンガリでもあるし、お客様を気持ちよくさせるメリットでもあります。

本の中の説明には、「ジョン・コッターの8段階のプロセス」が使われていました。
これは価値を考える企業側の立場で、どのように組み立てていくかの設計図として使用されていましたが、短期的な成果だけでなく、それを活かして定着させないといけないんですよね・・・定着って結構難しくて、短期利益を追求するあまり目先の仕事だけになってしまったり、長期のビジョンを持とうとするあまり今ビジネスがまわらないということも多いです(私もいろいろと経験してきました)。
でも言えるのは、長期を見据えて少し我慢するほうが先が見えてくるというもの。いくら長期を見たとしても、その間に気持ちや理念がコロコロ変わってしまっては、先々も見えなくなりますし。(もちろん、時代の変化は見極める必要があります)

強みはなんなのか?それは他社には真似しにくいことなのか?
で、それを見つけたら、明文化してお客さまにも見えるようにする。実行に移す。そのための準備はしっかりやる。
あとがきを読んだら、実際に著者はインタビューに行ったらしくて、だからリアリティがあるんだなーということが分かりました。『100円のコーラを1000円で売る方法』の著者だと分かったのはあとがきを読んだあとですが、なるほどなと思いました。

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楽天ブックス⇒そうだ、星を売ろう 「売れない時代」の新しいビジネスモデル [ 永井孝尚 ]