【本】ファンベース-支持され、愛され、長く売れ続けるために

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どこかのブログで紹介されていて、それをTwitterで見たような気がして、これからの自分に必要な考え方だなーと思って手に取りました。実際にとても分かりやすく、深く、具体的に書かれていましたので紹介します。
この本、図書館で借りたのですが、もう一度買って、ライン引きながら読みたいかも。

ファンづくりでなく、ファンベース

著者は意識的に「ファンベース」というワードを使っています。
ファンを作るだけでなく、その人たちが「売上を作るベース」だと考えているから。
でも、この”ベース”はずっと変わらないわけではなくて、時代とともに変化していく。買い物がリアル店舗からインターネットに変わったように。時代とともにファンのあり方も変わっていく。そんな中で、ファンベースマーケティングを丁寧に解説されています。

ファンベースが大切な理由を、とても端的にわかりやすく解説していました。

  1. ファンは売り上げの大半を支え、伸ばしてくれる
  2. 時代的・社会的にファンを大切にすることが重要になってきたから
  3. ファンが新たなファンを作ってくれるから

パレートの法則も例に挙げられていましたが、少数のファンが売り上げの大半を作る。これは理にかなっていると思います。私の勤めている会社でも、もちろん消耗品を販売している、ということはありますが、リピーターさんに支えられていると思います。
また、一度買ってもらったお客様に、次も買ってもらうにはどうしたらいいか?ということを本当に考えなくてはいけません。日本は人口が減っていますし、商品も長持ちするものが増えてきました。買い物をしてもらうチャンスも確実に減り、そんな中で、自社製品を選んでもらう必要があるのですから。

文中に何度も登場する”傾聴”

この本では「お客様の意見を聞く」という意味で使われています。
今の仕事でECに携わっていますが、当社の場合は、モール出店が多いです。その場合の意見はイコール「レビュー」。本当にいろんな意見をいただきます。
どんなに配送を早くしても「遅い」という声もあります。製品については、自分たちよりもより具体的な使用感を言葉にしてくれます。疑問を投げかけてくれたり、もっとこうしたほうがいいというアドバイスもあります。

モールだと何度もページを書き直したり、その都度追加するのが面倒だったりします。作ったデザインのキャプチャ画像を貼りつけたりしているから。でも昔って、これを地道にやっていたんですよね。FAQを追加したり、レビューにある内容ですでにできている部分は「きっとわかりにくかったんだな」と追加したり。
その1つ1つの変更や編集、追加が寄り添うということなのだと思います。そしてもし新規の見込み客がそれを見た時に「わかりやすい」「解決できるから買う」となるのだろうな。
最近読んだこの記事ととてもつながるので、貼り付けておきます。

中小企業のホームページ運用はまずコンバージョン最適化から
https://docodoor.co.jp/staffblog/leaky-bucket-theory/

共感・愛着・信頼

私は今、商品ページのディレクションを主な仕事にしているので、「愛着」の部分がまさに仕事となります。実際に1カ月に1つ、歯ブラシを変えて使い続け、その商品の特徴やレビューをページに反映させることをやっています。いくつか使うと、「この歯ブラシは好きだな」「これは特徴的だな」というのが分かってきます。少しずつ商品に気持ちが入り、愛着がわいてきます。

最近は、きちんと練ってからコンテンツを公開するケースも多くて、ちょっと違和感を感じています。
ファンの人からの声は、使ってから、少し時間が経過してから届くものなので、ページを公開してからはタイムラグがあるはずです。(ときどき、「まだ使っていませんが~」っていうレビューも見ますけど汗)
自社よがりのコンテンツにならないためにもそれは必要で、そうやって信頼を得ていくものではないかなと思います。

普遍的な考え方ではないかと思います。ずっと繰り返し読めそうな本でした。

ファンベース (ちくま新書)
楽天ブックス⇒ファンベース 支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書) [ 佐藤 尚之 ]