【本】エッセンシャル思考-最小の時間で成果を最大にする-
書店の店頭で目次をみて、すぐに買いました。
読んでみて、感想を端的に述べるのであれば「これが本当にできたら、理想的だな」ということです。
【目次】
1 エッセンシャル思考とは何かーエッセンシャル思考とはどのようなものか(エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考/選択ー選ぶ力を取り戻す ほか)
2 見極める技術ー多数の瑣末なことのなかから、少数の重要なことを見分ける(孤独ー考えるためのスペースをつくる/洞察ー情報の本質をつかみとる ほか)
3 捨てる技術ー多数の瑣末なことを容赦なく切り捨てる(目標ー最終形を明確にする/拒否ー断固として上手に断る ほか)
4 しくみ化の技術ー努力せず、自動的にエッセンシャル思考を実現する(バッファー最悪の事態を想定する/削減ー仕事を減らし、成果を増やす ほか)
一度にたくさんのことをせず、選別して、時間をかける
人材不足と言われて久しいですが、やはりスタッフの少ない会社は、一人がいろんな役割を抱える必要があります。
もちろん、それはありうる状況なのですが、私がこの本を読んで感じたのは、「頭の中で考えることを1つにする」ということではないでしょうか。
しかも、緊急かつ重要なもの以外は考えない。
私は以前の会社で、アイゼンハワーの「時間マトリクス」というものを使っていました。
もちろんこれを全く完璧にこなすことはできなかったのですが、緊急度×重要度を掛け合わせて、緊急でなく重要でないものを後回しにするというものです。なおかつ、これを自分で判断できるようになることが大切。会社にとって順位づけがまちがっていないか、一時期は先輩にチェックしてもらっていました。
この書籍では「すくなく、よりよく」を追求する思考=エッセンシャル思考とよび、ページの要所要所に、事例にもとづいたコラムが書かれています。
エッセンシャル思考は、選択と集中に近いもの
経営では、よく「選択と集中」ということが言われます。
これは手広くやるのではなく、選び抜きそこにリソースを集中させることで、成果を上げることを言います。
私も、これまでの仕事や、会社の事業を見ていると、集中したほうが効率がかなり上がるだろうな、という感触があります。
実際、以前にいたいくつかの会社を考えると、私が在籍していたころに比べて集中していると感じます。そのためキャッシュフローが改善されたり、本業に集中することでメディアが注目した、といったいい流れができていると考えます。
実際に、やりたい欲求があるのが常ですが、その場合はまず「仕組み化」することにリソースを割き、それを収益化(もしくはなんらかの還元が見える段階までに)できた段階でクローン事例を作るのがよいでしょうね。
たとえば、自社企画のセミナー開催が成功したら、そのノウハウを生かして登壇者を増やしてセミナーを開催するとか。バックグラウンドを仕組み化することが重要でもあり、コストがかかります。ここに集中できないといつまでたっても上手くいかない原因が分からなくなります。
上手くいかないのであれば、その方法を捨てて改善案を考えなくてはいけないのです。
成功しないことに、時間をかけない
というと、とても語弊を生みそうですが。
いかに早くうまくいくか、いかないかの判断をできるようになりたいという思いはあります。
そして、自分がうまくやれないと思うことを、根拠を持って早く断らなくてはいけない。もしくは「時間がかかるけど、どうしよ?」と言える勇気を持ちたいです。
もちろん、自分の苦手なことはあるし、他の人のほうがそれについては優秀、ってこともあるでしょうし。
自分のため、会社のためになることに、時間をかける
会社のため=利益を生む=お客様への価値提供につなげる、という意味で書いています。
結局、やることをしぼりこんで集中させれば、よりよい選択ができ、納期も早く(もしくは、予定通り)なります。
たくさんのことを考えると、考えが散漫になるので、リードタイムが長くなります。
私も、そういった意味では、自分の仕事の手が遅かったのは抜きとしても、
2つくらいの仕事をまわしていたくらいでちょうどよかったのかもしれません。(たとえば私は事務方でしたので、社内業務+広報業務を都度1件、など)
それ以上の仕事は外されることも多かったですが、結果として自分の能力では2つを完遂することでフィットしていたように思います。
すべてがうまくいったわけではないけれど、これ以上の仕事をして、お客さまへのパフォーマンスが出せるわけがないと思いました。スーパーマンではありませんので・・・
途中でやめられない
最近は、ワークライフバランスという言葉もありますし、残業が悪のような言い方もあります。
仕事を少なくしていかに精神的に豊かにするか、という風潮もあります。
私はこの意見には、正も悪も考えは持っていませんが、たくさん仕事をしている=残業している、という感覚で仕事をしがちになりますよね。
また、区切りのいいところで終わらせたい、という思いも、長時間労働につながります。
さらには、「もっと考えればうまくいくはず」と思いがちで、短期決戦で良し悪しを判断できていないのだと思います。
今考えるべきことだけに思考を集中できないからこそ、途中で区切りをつけることができず、ダラダラしてしまう。
戦略立案、企画の段階でぐっと思考を集中させ、「それはやるべきか?」「喜ぶ人がいるのか?」を追及してからスタートするくらいがちょうどいいのかもしれません。
この本は、内容は事例が多いので、見出しとコラムを読むだけでも良いと思います。
見出しを読んで、それを自分の今の仕事や、これからの考え方に落とし込んでいったほうが、効率よく理解が深まるかもしれないです。私も、パラパラと簡単に読み返して、毎日再考しようと思います。
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